気ままに、思いつくままに。

視聴したアニメの感想を気ままに書き綴ってるアニメブログでしたが、最近は鉄道や夕焼けの話題ばかりです。

水曜日 過去鉄…1985年東北本線(後編)

今日は前置きなしで、昨日https://okinawa-rail.hatenablog.jp/entry/2022/02/01/213946の続きです。

長いのでさくさくっと行きますよぉ。

先ずは撮影場所の川口駅についてざっくりと説明しましょう。

川口駅は鋳物の街、埼玉県川口市にある京浜東北線の駅で、大宮方の隣駅は西川口、上野方の隣駅は荒川を渡った東京都北区の赤羽になります。
この駅で撮ろうと思ったのはぶっちゃけ何となくで(笑)最初は赤羽方で撮ろうと思ってましたが、先客がいたので西川口方にしましたけど結果これが正解で、上野行きはカーブの外側からなので正面気味になって編成全体は入りませんが、こちらに向かって来る迫力がある画になり、後追いは14両の長編成全体が入る良い画になりましたからね。

では1985年東北本線 後編スタートです。

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f:id:okinawa-rail:20220202233139j:image上野行き普通576Mです。
車両運用の効率化で、普通運用に就いてる急行編成がありましたが、昼下がりとは言え運転間隔が30分毎なので、2扉デッキ付ではかなり混雑したのではないでしょうか。
急行編成なのでグリーン車が連結されてますが、当時の東北本線の普通にはグリーン車の設定がなくて普通車として開放されてたので、事情通…主に鉄道ファン…は上野方から6両目と、13両目のグリーン車の位置に並んでたそうです。

因みに576Mは上野到着後は折り返し急行「なすの」9号になります。

f:id:okinawa-rail:20220202233412j:image上野駅に回送される7両編成の185系200番台です。
回送列車は時刻表には掲載されてませんが、576Mの次のコマに写っていて、その次はこの後に紹介する急行「まつしま」2号なので、回送列車が上野駅に到着する時刻は、双方が上野駅に到着する13時08分から13時14分の間なのが分かります。
因みに途中には赤羽と尾久の二つの駅がありますが、どちらも退避線は無いので、途中で急行に追い越される事もありません。
当時の時刻表には上野駅を発車する列車のホーム番線と、上野駅への入線時刻も記載されてるので、回送列車が上野駅に到着するであろう時刻に上野駅に入線する列車を探すとありましたよ、13時11分に15番線に入線する特急「白根」53号が。
f:id:okinawa-rail:20220202233618j:imageイメージ写真ですがホームは上野駅15番線です。

もちろん尾久から複々線になってる回送線を通っての入線する事も考えられますが、時刻表をくまなく見ても185系7両編成を使う列車は無いので、この回送列車は「白根」53号の送り込みで間違いないでしょう。
そしてこの日に白根53号が運転されてる事が撮影日を特定出来る最大要因になりました。
「白根」53号は臨時列車なので運転日が、年末年始と、1月、2月の土曜日に加えて1月13日の日曜日に運転されます。f:id:okinawa-rail:20220202234025j:image
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そして2月24日までの休日には上野12時07分発の高崎線籠原行きの臨時普通列車も運転されていて、f:id:okinawa-rail:20220202234135j:imageこの列車は赤羽12時19分発で時間的に川口駅辺りで「やまばと」2号とすれ違い、実際に「やまばと」2号の後追いカットに対向して来る115系が写ってるのでf:id:okinawa-rail:20220202234312j:image双方が運転されるのは1月13日しか無いので、撮影日は1月13日と断定出来るのですよ。

ただ、当時は日曜日は翌日に疲れが残さないように極力遠征はしてないので、そこがちょっと引っかかるんですが、15日が成人の日で祝日なので、一日出勤すれば休みになるので、遠征した可能性もあります。
因みに13日から15日まで三連休だったかも知れませんが、正月休みの1週間後に三連休にするような、気前が良い会社じゃなかったです(笑)

何かトラベルミステリーのトリックみたいな事を長々と書いてしましたね。本筋に戻りましょう。

f:id:okinawa-rail:20220203002520j:image急行「まつしま」2号です
東北本線の名急行「まつしま」も85年3月ダイヤ改正で廃止されます。
85年3月ダイヤ改正では東北、高崎、上越線の他に、新幹線とはあまり関係ない信越本線に直通する「信州」(イメージですが車両は169系です)
f:id:okinawa-rail:20220203002844j:imageと新幹線とは全く関係ない常磐線の「ときわ」も廃止されるので、昼間の上野駅から急行型の姿が消滅します。
f:id:okinawa-rail:20220203004156j:image83年3月 上野

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f:id:okinawa-rail:20220203004445j:image何気に初登場の貨物列車です。
全車ワム80000の「ワムハチ」なので、中央線の飯田橋にあった紙流通センターに直通する印刷用紙を積載した「紙列車」でしょうか。
2枚目は2軸貨車独特のタンタンタンタンタンタンタンタンタンタンって音が聞こえてきませんか?

f:id:okinawa-rail:20220203004521j:imageなすの7号です。
この「なすの」7号は昨日貼った「なすの」6号の折り返し列車です。
f:id:okinawa-rail:20220203004605j:image再掲載
川口駅に1時間20分もいたら急行が上野駅まで行き、折り返し整備して戻って来るのには十分ですね(笑)

ここでうっかり書き忘れた急行「なすの」について書きましょうか。
急行「なすの」は上野~黒磯間の中距離急行で、小山から両毛線に入る「わたらせ」を併結する列車もある東北本線を代表する急行で、
車両は新前橋電車区165系で、7両編成若しくは14両編成です。
東北新幹線が大宮暫定開業だったので、小山や宇都宮は時間短縮効果が全くなくて、82年11月ダイヤ改正以降も残ってましたが、東北新幹線が上野に乗り入れる85年3月ダイヤ改正では遂に廃止……と思いきや185系200番台を使用した新特急「なすの」に格上げされます
f:id:okinawa-rail:20220203165603j:image86年3月 黒磯
因みに新特急とは85年3月ダイヤ改正で登場した新形態の特急で、グリーン車以外は全て自由席で、特急料金も通常の特急より100~500円ほど安くて、特急券を購入すれば定期券でも利用可能(急行は定期券では利用出来ない)な特色がありました。
とは言え停車駅は急行と変わらないので、体の良い値上げです。

f:id:okinawa-rail:20220203004722j:image何気に初登場…好きだねこれ…特急「あさま」です。
実はこの「あさま」15号は川口駅を発車した京浜東北線北行を軽~く追い越しています。
f:id:okinawa-rail:20220203004815j:image追い越されてる103系、よく見ると前3両と後ろ3両のみが冷房車で、真ん中の4両は非冷房車だったりします。
京浜東北線ATC化される際に103系の冷房化も進めましたが、財政が左前なので10両編成丸っと冷房付きの新造車ではなくて、ATC機器を搭載する両端のクハとそれに続く冷房用電源のMGを持つ電動車ユニットだけ冷房付きで新製して非冷房の在来車と差し替えて、中間の4両は非冷房の在来車のままでした。
このような編成をキセルと呼んでました。

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f:id:okinawa-rail:20220203004937j:image急行「ゆけむり2号・草津」です。
「ゆけむり」2号は上越線の水上発、「草津」は吾妻線の万座鹿沢口発で、双方は新前橋で併結して14両編成で上野を目指します。
車両は新前橋電車区165系ですが、新前橋電車区には169系の試作車169系900番台がいて、169系900番台はクモハ169+モハ168+クハ169の3両編成4本全12両が存在してましたが、運用は独立せずに他の165系に混じって組成されてるので、どこを走ってるかは分かりませんでした。
f:id:okinawa-rail:20220203005033j:imageこれは2枚目をネガスキャンして限界まで拡大したのですが、前から2両目のクモハはクーラーがAU12を装備してる事、続く相棒のモハはパンタ部分が低屋根で、屋根の肩の部分に通風器が設置されてる事から、この電動車ユニットは169系の試作車の169系900番台だと分かります。
この169系900番台は85年3月ダイヤ改正での東北、高崎線の急行廃止で余剰になるので、クモハとクハは交直流急行型を短編成化する際に先頭車が不足するのでクハ455に改造。相棒を失ったモハ168-900は電送解除されてサハ165-100番台に改造されて形式消滅します。
その改造工事は84年11月頃から始まっていて、1月13日の時点では残り2編成だけだったので、偶然に撮影出来たのは非常にラッキーでした。
最後部のクハもクーラーがAU12なのでクハ169-900番台かと思ったのですが、助手席側のジャンパ線連結器がKE64が二つだけで、EF63からの協調指令を受けるKE70-12ジャンパ線連結器がないので、これはクハ165です。
このAU12を装備したクハ165は東京~軽井沢間に運転されてた急行「碓氷」用に他のクハ165よりも一足先に冷房化された8両の内の1両でなのでレア車なんですが、撮影当時すでに豊橋機関区には、飯田線の80系f:id:okinawa-rail:20220203011220j:image
f:id:okinawa-rail:20220203011309j:image置き換え用に新前橋電車区から移動したAU12クーラー装備の165系がいたので、珍しくはなかったです。
因みにそのAU12クーラー装備の165系はJR移行後の89年に神領車両区に移動するので、名古屋でも姿が見られるようになりました。f:id:okinawa-rail:20220203012915j:image
f:id:okinawa-rail:20220203013002j:imageクモハ165-36 1990年5月 名古屋駅

話し1985年の川口駅にもどしましょう。

f:id:okinawa-rail:20220203005555j:image特急「白根5号、谷川5号」です。
特急「白根、谷川」は先の急行「ゆけむり、草津」の特急版で、運転区間も双方が新前橋まで併結するのも急行「ゆけむり、草津」と同じで、新前橋方に「谷川」、上野方に「白根」が連結されています。
特急「谷川」は82年11月ダイヤ改正で急行「ゆけむり」の一部を特急格上げする形でデビュー。特急「白根」は1971年に臨時列車でデビュー、82年11月ダイヤ改正で定期列車に昇格して、85年3月ダイヤ改正では急行「草津」を吸収して先に書いた新特急になるのですが、列車名が吸収した「草津」に変更される“下剋上”が起きてしまいます。
同じ区間を走る急行を吸収して勢力を増やす特急は数多ありますが、列車名が急行の列車名に変更されて、特急の列車名が消滅したのは「白根」だけです。
因みに「谷川」も急行「ゆけむり」を吸収して新特急になりますが、列車名は変わらないです。

f:id:okinawa-rail:20220203005712j:image特急「あさま」8号です。
「あさま」は東北、上越特急がバッサリと廃止された1982年11月ダイヤ改正で上野口の特急の盟主になり、東北、上越新幹線が上野に乗り入れた1985年3月ダイヤ改正では急行「信州」を吸収して15往復に、国鉄最後のダイヤ改正の1986年11月ダイヤ改正では17往復と勢力を拡大して、JR移行後は車両をグレードアップするなどして、北陸新幹線長野先行開業する前日の1997年9月30日まで走り続けました。
f:id:okinawa-rail:20220203010337j:image97年7月 横川

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f:id:okinawa-rail:20220203010457j:image上野行き普通578Mです。
車両の115系は東北、高崎線の旧型国電80系
の置き換え用として1963年から製造されたので最大勢力だったのが東北、高崎線で、東北本線の小山電車区高崎線の新前橋電車区の双方合わせて790両が最大15両編成で関東平野を疾走してました。
ところでこの日撮影した115系は黒磯行き559M、小金井発572M、宇都宮発574M、宇都宮発578Mの3本…籠原行きの臨時列車は写り込んだだけなのでノーカン…で、全て東北本線の列車なので高崎線直通の普通列車は撮らなかっん?と時刻表を調べたら、85年当時は高崎線直通列車は上下共に毎時1本だったので驚きました。
川口駅での滞在時間は1時間20分程度なので、そりゃあ撮りのがすわ(笑)

f:id:okinawa-rail:20220203013632j:imageコキ10000で組成された高速コンテナ列車です。
青い車体に空気バネ台車を履いたコキ10000は東海道本線でも走ってましたが、名古屋は深夜帯に通過してるので、名古屋住みの者には憧れの存在でした。
牽引機は切り文字ナンバーに大型のPS17パンタグラフを装備した初期型のEF65PFで、こちらも名古屋では見る機会は少なかったですね。

 

ネガを見ると川口駅での撮影は高速コンテナ列車で終わっています。
昨日もちょっと書いてますが、当日の撮影列車の時刻をメモしていた訳ではありませんが、特急「やまばと」を撮影してるので、それを基軸に当時の時刻表から撮影列車を判別するのは容易でした。
で、高速コンテナ列車の前のコマが川口の隣駅の赤羽13時26分発の578Mなので、あと10分くらい滞在してたら特急「あいづ」が撮れてた事が分かりました……f:id:okinawa-rail:20220203013753j:image

当時の自分をそこに座れ!と正座させて、何で引き上げたんだと小一時間ネチネチと説教してやりたいです。

長々と書いてきた1985年東北本線……って言うか川口駅はこれでおしまいでございます。

最後までお付き合い下さいありがとうございました。

先に何度か書いてますが、この日、川口駅に滞在したのは撮影した列車から推測すると約1時間20分位で、その間に22本の列車を撮影してるので、約3分30秒毎に撮影した事になります。

これだけ撮ってたら満足……と言うか疲れて引き上げた可能性もありますねぇ。

だから怒らないでぇ…と当時の自分が言ってます(笑)

それでわぁ~