今日の名古屋は曇りがちですけど、最高気温は13.3℃で、これまでなら曇りがちだともっと気温は低かったので、春らしくなりましたねぇ。
春と言えばJRのダイヤ改正ですが……なんか強引(笑)…今年のダイヤ改正ではJR東海に新型車両315系が投入されて、それに伴いJR東海に最後まで残っていた国鉄型の211系0番台が引退します。2019年6月
と言う事で今日は211系0番台引退を惜しんで以前から予告していた211系特集をお届けいたしましょう。
先ずは211系についてざっくりと説明しましょう。
211系は113系1986年9月新子安駅
115系1985年1月川口駅
に変わる新たな近郊型として1985年12月に登場した車両で、最大の特徴は車体が鋼製から軽量ステンレス車体になって、制御装置に国鉄が開発した界磁添加励磁制御を用いて安価な直流直巻モーターで電力回生ブレーキが可能になった事です。
尚、舌を噛みそうな専門用語が羅列してますが、それらを解説すると長くなるので省略します←書くのが面倒くさいとも言う(笑)
それまでの近郊型は平坦線用の113系と勾配線用の115系に別れてましたが、211系が採用した回生ブレーキは抑速勾配ブレーキにも使えるので平坦、勾配線用の区別はなくなり、暖地向けで座席が4人掛けのボックスシートの0番台と、増結用でロングシートの2000番台。寒冷地向けで座席が4人掛けのボックスシートの1000番台と増結用でロングシートの3000番台の4区分になりました。
0番台と2000番台は東海道線に、鉄道ファン誌2003年10月号より
1000番台と3000番台は1986年7月上越線井野
東北、高崎線に投入されてそれぞれ1986年3月ダイヤ改正から走り始めてました。
1986年11月ダイヤ改正では名古屋地区の快速列車が増発される事になり、快速用の117系6両編成を半分に分割して先頭車のみ18両を新製して6両編成9本から4両編成18本に増やしました。6両編成 1983年9月 熱田
4両編成 1986年11月定光寺
しかし、それだけでは不足するので、名古屋地区向けに211系4両編成2本8両が製造されました。
名古屋地区向けとして新たな番台起こしはされずに暖地向けの0番台の続番で製造されましたが、名古屋地区は輸送量が少ないので将来的には3両編成での運用も考慮したのか、奇数向き(東京向き)の先頭車は電動車になったので新たにクモハ211が起されてWikipediaより
中間の制御装置を持つモハ211は製造されなかったので編成はクモハ211+モハ210+サハ211+クハ210になり、電動車ユニット同士で車両番号が揃わなくなりました。(山と渓谷社 国鉄車両形式集4より)
余談ですがJR東日本にも211系は存在しますが、東日本のサハ211-0番台はすでに廃車されてるので、今回JR東海のサハ211-0番台が廃車されると、サハ211-0番台は形式消滅します。
この211系0番台は個人的にも好きな車両なので、そこそこ記録してるので、ここからは過去鉄としてデビュー当時から近年までの姿を貼っていきますよ。
例によって写真とネガスキャンの混合なので色と画質に纏まりが無い事だけはご承知おき下さいまし。
国鉄最後の日に名古屋駅に到着する東海道線の普通列車です。
211系0番台は快速用でしたが早朝には普通列車にも就いていました。
ところで、色が違いますが、これはデビュー当時に纏ってた“中京色”と呼ばれた色で、なんでこんな色だったのかは謎です。
この色は88年にJR東海オリジナルの211系5000番台が湘南色で登場したので、それに合わせ湘南色に変更されて僅か2年で消えてしまったので、忘れ去られた国鉄色です(笑)
因みに後年愛知環状鉄道が導入した2000系がこの中京色を纏ってます。帯の幅こそ違いますが、紛れもなく中京色です(笑)
1989年には新たな快速用としてJR東海オリジナルの311系がデビューしたので、211系0番台は快速運用から外れて普通列車に就くようになりました。
89年11月 金山付近
90年5月清洲駅
90年11月名古屋駅
91年1月清洲駅
91年12月名古屋駅
隣はJR東海オリジナルの5000番台です。
普通列車に就く傍らで休日にはヘッドマークと赤い快速の種別表示も誇らしげに快速ナイスホリデー近江路に就いてました。90年5月名古屋駅
90年8月名古屋駅
91年1月名古屋駅
91年頃から休鉄していたり、身体を壊していたりしたので、次に211系0番台を撮影したのはなんと27年後の2019年になります(笑)
JR東海は私が休鉄してた間に破竹の勢いで次々と新型車両を製造して国鉄型を次々と淘汰して、2016年にはJR東海に残った国鉄型は211系0番台8両だけになりました。
そんな211系0番台に引退の噂が出始めたのは2019年頃からだったでしょうか。
もうこの頃には0番台は313系に追われてデビュー以来30年余り走り続けてた東海道線の仕業から離れた後は関西線で朝夕のみの仕業で余生を送っていました。
2019年6月29日
名古屋駅で発車を待つ3337Mです。列車番号から分かると思いますが土曜日なんですけど、カメラを向けてたのは私だけでした。
ところで、先に書いたように211系にカメラを向けたのは27年ぶりなので、その間にATS-PTが整備されてスカート下部にはATS-PT車上子を保護する鉄板が追加されて27年前よりも精悍な顔付きになってました。
この保護板は左右が斜めにカットされてるので、遠目にはスノープラウに見えます(笑)
この関西線で細々と走ってる0番台、乗ってみようと思っていたのですけど、運用が分からない…調べるのが面倒とも言う(笑)…ので中々乗れなかったのですけど、先の写真を撮影した際に夕方16時53分発の桑名行きの運用に就いてるを見て、車両運用がころころ変わる名鉄と違って、次のダイヤ改正までは運用は変わらないので、2週間後に乗りに行って来ました。
計画当初は名古屋から乗ろうと思ったのですけど、名古屋からでは混雑して車内をじっくりと観察出来ないので、桑名からの折り返し列車に乗ろうと思って近鉄で桑名まで行ったのですけど、これが大正解で、乗車したのは最後部のクモハ211でしたけど、発車間際まで乗客がいなかったので、まるで特別な許可を受けて神領車両区で撮影したような写真がとれました。乗客がいたらこのような写真は撮れないです。
ところで病院の待合室の椅子みたいなボックスシート、東海道線を快速で走ってた時には座り心地が良いなぁと思ってたんですけど、この日座ってみたら直角過ぎて腰にきました
まだ313系のボックスシートの方が座り心地が良いですよ。Wikipediaより
因みにボックスシートの座り心地の良さでは、腰部に適度な傾斜がある国鉄型ボックスシートの右に出るシートは無いです。
名古屋駅に到着後にもパチリと撮ってますが、撮影してたのは私の他に1人だけでした。
JR東海は2020年初頭に次期主力一般車の315系の製造を発表したので、211系0番台の引退が現実的になりました。
名古屋駅で発車待ちの339Mです。
撮影はすべて2020年3月12日で、この時は既に先に書いたように315系の製造が発表されてますが、平日だったのでまだカメラを向けるファンはほとんどいなくて、一般乗客に配慮しつつ思い思いのアングルで伸び伸びと撮れました。
何事も早め早めの行動が大切ですね。てか、何で引退間際になって撮るの?
2021年11月20日
名古屋駅で発車待ちの3337Mです。JR東海が今年の3月で211系0番台を引退させると公式発表したら途端にカメラを向けるファンが増えて、この写真も他の撮影者と一般乗客の邪魔にならないように柱の陰に立って撮ってました。名古屋駅を発車する3337Mです。動画からの切り取りですが、この写真が211系0番台を撮影した最後の写真になりました。
長々と書いた211系0番台特集、最後までお付き合いありがとうございました。
最後は211系0番台の動向で締めましょう
JR東海に残った最後の国鉄型211系0番台はダイヤ改正に先立って先週の土曜日に運用を終了して、今週の月曜日には2編成纏めて西浜松に回送されました。
秘かに期待した中京色の復活もなくてJR東海らしく(笑)なんのセレモニーもなくひっそりとした引退でしたが、愛するファンの胸の中ではいつでも軽やかに濃尾平野を疾走しています。
いつまでも。
いつまでも。